Window of Scenery

撮影遠征「丹沢山編」

2022.9.1

皆さんこんにちは。

今回は丹沢山に撮影遠征に行ってきました。

結果として

めちゃくちゃしんどかったです…

ここまできつい思いをしたのは

富士山で高山病にかかった時以来です。

今回はそんなめちゃしんどかった遠征の

記録を残していこうと思います。

 

山に撮影しに行くときは、行ったことのない山であれば

基本的に一度昼間に登ってから、日を改めて本撮影に臨んでいます。

さすがに一度も登ったことのない山にいきなり夜に登るのは、

道迷いのリスクが高くてあまりに危険ですし、

事前に一度登ることによってルート確認はもちろん

目的の撮影ポイントまでどのくらいの時間がかかって、

どの位の水分、食料が必要かを判断できるので、

撮影当日の行動の時間配分を決めやすかったり、

荷物の最適化ができるわけです。

なので同じ山は基本的に必ず2回登っています。

 

さて、今回狙っている構図はこんな感じ。

ここに天の川を入れたい。

この木道と、山の稜線がなかなかいい感じなんじゃないでしょうか。

場所としては塔ノ岳山頂から丹沢山山頂へと続く

稜線の途中にあるところです。

なので丹沢山の山頂に行く必要はないんですが、

せっかくなので丹沢山山頂を目指します。

 

ルートは大倉バス停から登山道に入る大倉ルートで、

丹沢山山頂の標高は1567m、

往復のコースタイムは9時間40分!

なかなかの山ですよこれは。

 

なんでこんな山を選んでしまったんだ

と思いつつ、

一度撮りたい!となったら行動には移さずにはいられないタチなので

このまま強行します。

 

そして撮影当日の朝。

始発で最寄り駅から出発し、いざ丹沢山の近くの渋沢駅へ。

今回はルート確認、タイム計測、ロケーション確認が目的なので、

荷物は必要最低限に。

あとランニングとかはちょいちょいしてましたが、

久々の登山なので単純に体がなまっているのでなるべく軽くしたい。

撮り歩き用にまだまだ現役のpentax k-5ⅱsに20-40 limitedレンズをつけて

水2Lちょい、その他食料で挑みます。

 

自宅から約2時間ほどかけて渋沢駅へ到着。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/4 1/100秒 iso 80 26mm

普通はこの渋沢駅から登山道に近い大倉バス停まで

バスで行くんですが、

今回は何を思ったか、渋沢駅から登山道まで1時間ほど歩いて行くという

愚行に出ました。

 

そしてこれが後々後悔することに・・・

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/80秒 iso 80 30mm

非常に良い天気で清々しいです。

しかしすでに気温が高くて後々きつそうな予感がします。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/100秒 iso 80 20mm

写真の中央右寄り奥に見えるのが今から登る塔ノ岳です。

いやーあんなところまで登るんですね。

 

まずは登山道を目指すんですが、

当たり前ですが山に向かってるんで、ずっと登り坂なんですよね。

まだ登山道にすら着いていないのに

若干足が張ってきてる・・・

1時間のアスファルトの登り坂が地味にきつい。

やっぱバスでくればよかった・・・

今からホントに山に登るのか・・・?

と愚痴をこぼしつつ登山道を目指します。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/100秒 iso 80 20mm

そして約1時間かけて登山道へ到着。

さあここからが本番だ。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/50秒 iso 1250 20mm

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/60秒 iso 80 20mm

あ、やばい結構暑い・・・

天気が良くて、早朝にも関わらずこの時すでに

気温が体感30度くらいはあったと思います。

いやー久々の登山で体がなまってるせいで、足が重い・・・

割と早々にバテて、休憩所でちょいちょい休みながらなんとか登っていきます。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/60秒 iso 800 24mm

しかしまだまだこんなのでバテてる場合なんかではなく、

これからこの山の洗礼を受けることとなります。

 

大倉ルートには通称「バカ尾根」と呼ばれる場所があって、

同じような登り坂がバカみたいに3~4時間も続くので

そう呼ばれているみたいです。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/8 1/50秒 iso 80 20mm

これですよこれ!!!

写真だと伝わりづらいんですが、結構な登り坂で

これがひたすら延々と続くんです。

同じような景色がずっと続くせいで進んでる感が全然なくて

体力と精神をゴリゴリと削られます・・・

 

これ、今回は最低限の荷物で登ってますが

本番の時はこれに三脚とフルサイズ一眼とスカイメモSやら

装備が加わるんで、これ本撮影無理じゃね?

って思うくらいホントにきつかったです。

 

ですが今まで、日本で一番高い場所から天の川を撮りたいと思って

夕方から弾丸で夜通し富士山に登ったり、

どうしても三つ峠から夕陽が撮りたいと思って

昼過ぎに三つ峠に登り始めて山頂で夕陽を拝んで、

持ってきた水分の量が計算ミスで足りなくて途中で水が尽きてしまい、

脱水状態で足をつりながら夜の山を気合で下山したり・・・

幾度となく苦難を乗り越えて撮影してきました。

ここで負けてはいられません。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/8 1/80秒 iso 125 30mm

途中いい感じの売店を通り過ぎて

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/100秒 iso 80 20mm

彼方に見える富士山に癒されつつ

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/100秒 iso 80 20mm

一歩ずつ確実に登っていきます。

そしてやっと塔ノ岳山頂が見えた!

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/8 1/200秒 iso 80 20mm

と思いきや実はまだで、山頂はこの奥の方にあります。

そしてここからさらに登ること1時間。

ついに

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/6.3 1/400秒 iso 80 20mm

塔ノ岳、踏破!!

そして山頂から東京方面の景色。

PENTAX K-5Ⅱs HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR f/11 1/100秒 iso 80 20mm

うーん大気の状態があまりよろしくないのか霞んでる・・・

そして登ってる最中から思ってたけどやたらと人が多い。

さすが都心から割と近いだけあって結構人気の山なんですね。

土日っていうこともあるけど。

 

さて、達成感に浸りつつ山頂で腹ごしらえして・・・

 

 

 

 

 

 

帰ろう!

はい。この時体力はもう限界でした。

駅から登山道へのバスルートを歩かなければたぶん行けたと思います。

悔しいですが、

ここを今日のゴールとする!

 

というわけで、山頂で食事を済ませてそのまま下山しました。

でも山って登りよりも下りの方がきついんですよね。

下りは・・・まあ想像におまかせします。

もちろん帰りはバスで駅まで帰りました。

 

結局2Lちょい持って行った水分はちょうど帰りのバス停で空になって、

2Lも汗かいたのか!すげー!なんて思ってちょっと感動しました。

いいデトックスです。

 

ちなみにこの時のiPhoneのヘルスケアデータがこちら

こう、数値で見ると凄まじいですね。

改めて達成感がわいてきます。

今回の初回登頂で単純に体力、筋力不足を痛感しました。

次はフル装備での本番撮影。

過酷な撮影に耐えうる強靭な肉体が必要です。

さすがにこのままではまずいと思って、

それからはランニングや筋トレに明け暮れました。

通勤時もエスカレーターを使わずに、階段でなおかつ

2段飛ばしで駆け上がって、普段からなるべく

足に負荷をかけるように意識しました。

細かい積み重ねが重要です。

トレーニングを続けつつ、月齢やら天候やらをチェックして

撮影できるタイミングをうかがっていて、

初回登頂からかなり時間が空いて2か月半後・・・

 

ついに撮影できるタイミングが来ました。

信頼のおけるGPV気象予報でほぼ快晴、月も出てない!

明日は休み!よし!行くぜ!

 

早速フル機材をザックに詰め込んで準備。

そして試しに重さを計ってみる。

初回登頂時はたぶん5kgくらいだったと思うがさあ今回は・・・

iPhoneで撮影

13.6kg。

なるほど面白い。

特訓の成果を見せてやる。

行くぜ!

iPhoneで撮影

17時13分登山開始!

もちろんバスで来た。

 

撮影ポイントで天の川が狙った位置に来るのは22時過ぎ。

予想では自分の速度だと撮影ポイントまではおそらく4時間半。

あまり休憩している時間はない。

 

足早に登っていると明らかに前回と違いを感じた。

荷物は前の倍以上重くなってるはずなのに体が明らかに軽い。

足に入る力が全然違う!

よしこれならいけるぞ!

 

トレーニングの効果は確実に出てました。

前回登った時は、何回も立ち止まったり

休憩をした場所を今回はノンストップで駆け上がっていきます。

そして当然ながら今から登る変人なんておらず、

下山してくる人とどんどんすれ違うんですが、

山に星を撮りに行くとき恒例でもう慣れましたが、

やっぱり毎度「今から登るんですか!?」

みたいに声をかけられるんですよね。

そりゃそうだ。こんな時間に登るやつなんて

誰もいません。

最初の頃は「はい!今から登ります!」

みたいに素直に返してたんですが、そうすると

「もう暗くなっちゃいますよ!」って必ず返されるんですよね。

んなこたわかってるっつーの!

すれ違う人すれ違う人毎回そのやり取りをするのが

めんどくさくて、前々から

「今から登るんですか!?」の問いに

なんて返したらいいかなーと考えていた結果、今は

「はい!夜登山です!」って返すことにしてます。

そうすると

「へぇ夜登山ですかぁ。(じゃあまあ暗くなっても装備もあるだろうし大丈夫か)」

「お気をつけて~」

となってやり取りをスムーズにできます笑

今はそのやり取りすらもめんどくさくなってきて

今度から「夜登山中!」みたいなゼッケンでもつけながら登ろうか

本気で悩んでます。

山に星を撮りに行くのは楽しいですが、

皆の下山時間と被ると、こういう感じで声をかけられたり、

声をかけられないまでも「なんだこいつ・・・」

みたいに怪訝な顔で見られるのが結構きついんです。

星撮りは体力だけでなく精神力も必要になってきます。

 

話がそれましたが、夕方から登り始めて

闇に落ちていく山を見ながら登るのもいいものです。

普通は暗くなっていく山なんて恐怖しかないでしょうが、

星撮り屋にとってはここからがスタートです。

iPhoneで撮影

この時間に夕陽に染まる富士山をここからゆったり見れる人は

そうそういないでしょう。

景色を独り占めできます。

 

さて、そんなこんなで結局ほぼノー休憩で塔ノ岳山頂に到着しました。

が、やっぱりこの山はきつかった。

ここにきて頭痛とひどい倦怠感が出てきました。

でも2か月半待ってやっと掴んだチャンスをここで手放すわけにはいかない。

前回はここでリタイアしてしまって、ここから撮影ポイントまでの

稜線は下見ができていないので、ここから先は

完全に初見ルートになってしまって不安ですが、

注意しながら重い体を気合で動かします。

 

そして進むこと約1時間、ついに目的の

ポイントに到達!!!

その時撮影したものがトップの写真になります。

Googleearthロケハンをしたときより

予想以上に草木が生い茂っていて、

本当は木道がもう少し先まで続いているのが見える

はずだったんですがしかたがない。

この写真をカメラに撮らせている間

後ろでぶっ倒れてて、写真とかもういいから早く帰りたい・・・

なんて思ってました笑

休憩を全然取らずに来たので、シャリバテしたのかもしれません。

とにかく脱力感がひどかったので

まったく食欲はなかったんですが、持ってきたおにぎりを

無理やり流し込んで、写真は1構図だけスタック用素材を

インターバルで20分ほど撮って早々に引き上げました。

 

塔ノ岳山頂まで戻ったところで一旦体力を回復すべく、

山頂のベンチで横になって少し仮眠しました。

気温は22度ほどで涼しく、風もほぼ無風で

誰もいない山頂で星空を見上げながらゆっくり休憩できて

最高に心地が良かったです。

 

1時間半ほど休憩して、体調も少し回復したところで

そのまま休み休み下山しました。

登山道付近につく頃は時刻はもう4時過ぎで、

朝一で登ってきた人たち何人かとすれ違って、

まあ少し驚いた顔をされました笑

時間が完全に真逆ですね。

 

そんなこんなで、今回はかなり濃厚で過酷な撮影遠征でした。

この一枚を撮るのにどれだけの苦労があったか知っていただきたかったので

今回記事にまとめました。

次回どこに行くか、山に登るかはまだ未定ですが、

無理がきくように体だけは鍛えておこうと思います。

 

そういえば夜に下山してるとき茂みにイノシシがいてめっちゃ怖かった。