Window of Scenery

エクストリーム出社

2022.7.5

皆さん初めまして。

記念すべき第一回目の投稿になります。

ブログの方では、ホームページに掲載している写真を撮るまでに至る苦労、裏話や、

撮影遠征について書いて不定期で書いていこうと思います。

星景写真というのは、完成した写真を見ると華やかでとても癒されるんですが、

星景写真を撮る人ならわかると思いますが、その舞台裏はとても地味で、苦労があるものです。

撮影している間の待ち時間やら、重い機材を背負っての撮影地までの移動、時には寒さに耐え、

熊とエンカウントする恐怖、そして何よりお金がかかります。

あとは月齢と天候の状況。こればかりはどうにもならない。

風景とくっきりした天の川を映したい場合、特別な理由がない限り

明るい月は邪魔になってきます。

なので星景写真を撮るときは月の出ていない新月の夜を選ぶわけなんですが、

これがまた晴れない。

高温多湿な日本なので曇りや雨が多いのは仕方ないですが、

なかなか星撮りに適するほどにスカッとは晴れてくれないんですよね。

やっと晴れたと思ったら今度は月が出てきてしまっていたり…

そもそも星撮りは当然夜に撮影するので、夜通し撮影してそこから帰って

となると、どうしても次の日の仕事が休みの日じゃないとなかなか厳しい。

なので新月+快晴+休みの前の日という条件が重なって初めて

撮影できるので、撮影できるタイミングは非常にレアになってきます。

新月でかつ晴れていても、たまたま休みが合わなかったりなんてことも

よくあって、1年で一回もまともに撮影できなかった年もあるくらいで

非常に苦い思いをしました。

そこで何とか撮影に行ける機会を増やせないか考えた所、ついに禁じ手に出ました。

そう。寝ないで仕事にいきゃいいのです(笑)

巷ではエクストリーム出社と呼ばれていて、

出社前に何かアクティブな活動をしてから会社に行くことを指すようです。

wikipediaによると

『エクストリーム出社は、早朝から観光、海水浴、

登山などのアクティビティをこなしたのち、

定刻までに勤務先に出社するエクストリームスポーツであり、

リフレッシュを主目的としてレジャーを楽しむ、

早朝から出社までのプロセスを差す言葉である。

この場合、スポーツとしての競技性はともなわない。

エクストリーム出社のプレイヤーは、一般的な通勤者と区別して出社ニストと呼ばれる』

リフレッシュ?とはちょっと違うかもしれませんが、

無事僕も出社ニストの仲間入りを果たしました。

限られた撮影チャンスをつかむためにはもはやこういった荒業に出るしかない!

というわけで、月の状況とgpv気象予報がいい感じなので、ど平日の仕事終わりに前から撮りに行こうと思ってた

ロケーション候補の一つの銚子に行ってきました。

千葉の端っこ、君ヶ浜しおさい公園です。

ここなら東京の光害に邪魔されることなく撮れるというのと、

単純に海辺からの天の川が撮りたかった。

あと、ここならギリ仕事に間に合う(笑

新宿駅から片道3時間、ひたすら総武線で揺られて銚子駅に21時頃到着。

銚子駅から銚子電鉄へ乗り換えていざ君ヶ浜駅へ!

と行きたいところでしたが、この時間は銚子電鉄は動いてないみたいなので、

仕方なく銚子駅から徒歩1時間ちょいかけて君ヶ浜へ向かいます。

電車の利用客数的にこの時間に動かすメリットがないのでしょうがない。

まあまあな距離を歩いて22時過ぎについに目的の君ヶ浜しおさい公園に到着。

天気は良好。しかしさすがに海辺だけあって湿気が立ち込めていて少し霧っぽくなっている。

まあ後でlightroomでかすみの除去入れればいいやと思いつつ撮影開始!

事前のGoogleearthロケハンでの構図決めで、こんな感じで取れればいいなーと撮影したのが

記事トップの写真になります。

写真は空と地上風景別撮りの俗にいう新星景写真というやつです。

少し自分なりにやり方はアレンジしていますが。

なかなかうまくいったんではないでしょうか。

このイメージしてた構図通りにピタッと撮れる瞬間がたまらんですね。

ただ、思ったより地上施設の明かりが強かったのが誤算でしたが、まあ許容範囲でしょう。

今回は星撮り用に新しく導入したレンズのNikon 20mm f1.8の実力を確かめたかったので、

エクストリーム強行したわけですが、非常にいいレンズですね。

星撮りで解放で撮影することはまずないので、ある程度の明るさと星像のバランスを取って

f2.8まで絞って撮影しています。

広角レンズなので周辺部はやや流れるものの、コマフレアなどはなく

しっかり星の形を保ってくれていて、f1.8と余裕がある分、

絞り込めることにより周辺減光も落ち着いています。

これからしばらくは星撮りのメインレンズとして使っていける満足の解像力でした。

Nikon D810A

AF-S NIKKOR 20mm f/1.8G ED /20mm /iso1600/f2.8/追尾1分×10枚/ダーク10枚

いずれSigmaの14mm f1.8とかも欲しいんですが、何せ高いのと重量1kg超えと重いんですよね。

買うにしてもまだ当分先になるかなぁ。

望遠撮影用の鏡筒も欲しいしどちらから買うかめちゃくちゃ悩む…。

そんなこんなで22時過ぎから撮り始めて夜通し撮影してました。

ただこの写真を撮影した5月初めの夜の海辺は結構冷えてめちゃ寒かった。

荷物を減らそうと上着を持ってこなかった自分を恨みました。

撮影は午前3時頃に切り上げたんですが動いてないと寒すぎるんで、

とりあえず再び銚子駅に歩いていくんですが始発が4時55分…

後2時間近くある…

仕方ないのでめちゃくちゃゆっくり歩きつつ遠回りして、何とか寒さをしのぎ時間をつぶしつつ、

銚子駅を始発で出発して新宿まで3時間弱、とにかく電車の中で爆睡して何とか体力を回復して、

そのまま仕事に向かいました(笑

我ながら無茶なことをしてるなーと思ったと同時に、

体に無理がきかせられる分、まだ自分は若いのか!と謎の自信を持った今回の

エクストリーム撮影遠征でした。